未来の人材を創造

so good

2007年11月06日 11:11

最近考えてます企業の社会的責任の一つの形がここにあります。
パナソニックのパナソニックセンター東京内にある
リスーピアです。
実は、理科と数学で遊ぶ場所だからリスーピアとのなんともべたな名づけなのだが、
その内容は現代のIT技術をうまく利用した数学のミュージアムである。

実は、私自身理数系出身ではあるが、
近年の小中学生は理数系離れがはなはだしいようで、
それを憂いた松下電器の中村邦夫会長が

「天然資源が乏しい日本は、ものづくり立国、
科学技術創造立国としてでしか存続できない。
これからの日本を支えるのは優秀な理科系人材だ。
この施設をきっかけに、理科・数学への関心を少しでも高めてほしい」

との気持ちから設立された施設である。

場所からすれば、おもいっきりパナソニックの施設ではあるが、
施設自体に社名を使っていない点は、
一企業の思惑にとらわれず、日本全体の問題に取り組もうという姿勢
を明確にあらわしている。
勿論、技術者が企業の行く末を左右する会社にとっては、
次世代の技術者の育つ環境として、理数に興味を持っていただくことは大切な事である。

リスーピアは、理科や数学の原理モデルを展示する1階の「クエストフロア」
体験型の展示物が並ぶ3階の「ディスカバリーフロア」から成る。

数学に関する展示の監修を担当した埼玉大学経済学部の岡部恒治教授がかたる
数学の力とは、物事を抽象化し、
一般化する力だと言うことができます。
つまり本質を捉える力ということ。
数学の考え方は技術者に限らず、世の中で必ず役に立つのです。

という言葉は、私も非常に共感できる点がある。
小学生から中学生になる事で、算数から数学へと変わるが、
そこで、考える子供であればあるほど、
つまづきというか概念の違いに戸惑う事があるはずである。
そうして、必要でない苦手意識が生まれて理数離れが生じているのではないか?
それを、このような施設が出来る事で、
抽象的で概念的な理解より実際に目に見える形で示す事が、
興味を抱く礎となりうるはずである。

また、この施設では、
パーソナルガイドシステムを交通機関や公共スペースでの利用に展開することを念頭に置いている
松下電器の可視光通信を利用したパーソナルガイドシステムの導入の実験場でもある。
これは、来るべきユビキタスネットワーク社会の実現に大きな一歩となる事であろう。

同じ作るのなら、こうした生きた施設を作っていく事が、
企業の社会的責任の表れとして顧客満足につながるのではないだろうか?
この施設は、自社のブランドを確立し次世代への礎となるはずである。


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